おうちで鼻症状のケア その3

子どもの鼻水の吸い方

滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

今回はおうちで鼻症状をケアする方法第3弾、上手に子どもの鼻水を吸い取る方法についてのお話です。

(その1「鼻の吸引について」その2「鼻づまりへの対処法」もぜひご参照ください。)

鼻水を吸う道具

ドラッグストアやインターネットで販売されています。保護者が口で吸うタイプのものと電動のものがあります。

口で吸うタイプのものは、比較的安価でお手軽ですが、子どもがもっているウイルスや細菌を保護者が吸い込んでしまう危険性があるのが難点です。

下の図に書いてあるようなセパレートタイプのものや、吸い込み口にフィルターがついてあるものをなるべく選びましょう。

電動タイプはそのような心配がなく安心ですが、「ブーン」という大きな音がしますので怖がりのお子さんは音にびっくりされることがあります。

以前は置き型のものが主体でしたが、最近は小型の携帯用のものもあります。

鼻の構造について

鼻は左右一つずつ穴があいていますが、奥の構造がわかると鼻水が上手に吸いやすくなります。

特に赤ちゃんの鼻は間口が狭く、鼻吸い器の先端をそのまま鼻の穴に当てると、穴が吸い込まれて小さくなってしまいます。

下の図のように鼻の先端を少し指で上の方に持ち上げると、鼻の穴が縦に拡がって鼻吸い器で穴がつぶれにくくなります。

次に鼻の奥の構造ですが、鼻の中は粘膜がひだ状になっていて、真ん中に鼻中隔という仕切りがあります。

鼻水は粘膜のひだの隙間にたまるので、一方向だけに鼻吸い器を向けてもほんのわずかの鼻水しか吸えないことが多いです。

鼻水を吸うときは鼻筋の向き(斜め上方向)だけでなく、上あごの向き(斜め下方向)にも鼻吸い器の先端を向けると良いでしょう。

また、真ん中の仕切りには血管が集まっている場所があり、鼻吸い器の先端が当たると出血しやすい場所です。

特に鼻炎のときは血管が拡がって少しの刺激で出血しやすくなっています。

鼻吸い器の先端がお顔の内側になるべく向かないようにすると安全です。

鼻吸い中に鼻血が出てしまったときは、慌てず、鼻の膨らんでいる軟らかい部分を鼻の真ん中に向けて押さえるようにすると止まりやすくなります。(過去のブログもご参照ください→鼻血について

おうちでなかなか鼻水が吸えないときは

赤ちゃんのうちは上手に口で呼吸することが難しく、鼻がつまると息を吸いづらくなってしまうこともあります。上記の方法で試してみてもうまくいかない場合は耳鼻咽喉科にご相談ください。