予防接種の最近の動向について

滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

前々回のブログでは子宮頸がんワクチンについてお伝えしました。

大切なことなのでもう一度おさらいしておきます。子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種が来年3月末で終了します。

キャッチアップ接種の方(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日の女性)と高校1年生相当の女性は今年の9月末までに1回目のワクチンを接種しなければ、公費負担がなくなります。自費で接種すると、1回26,000円(当院価格)もするので、3回接種なので、78,000円とかなり高額になります。対象の方はあと数日しかないので、ぜひ接種するようにしてください。

さて、ここからはそのほかの予防接種の最近の動向をお伝えします。

小児の肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌ワクチンは生後2か月から計4回接種する定期接種ワクチンです。

この4月に13価ワクチンのプレベナー13®から15価ワクチンのバクニュバンス®に変わりました。

まだ変更されてから半年しか経っていませんが、なんとこの10月から定期接種が20価ワクチンのプレベナー20®に変わります。

対応する肺炎球菌が13→15→20種類と増えて、より多くの種類の肺炎球菌の免疫をつけることができ、お子さんにとってより良いワクチンが接種できるわけですが、接種にあたっては注意点があります。

プレベナー13®を今まで接種していた人のバクニュバンス®への途中変更は問題なしとされており、今回のプレベナー20®への変更も認められています。

しかし、現在一番接種されている方が多いバクニュバンス®はプレベナー20®への途中変更は認められていません。

つまり、すでにバクニュバンス®で計4回接種のうち何回か接種済みの方は、最後までバクニュバンス®で接種する必要があります。

もちろん今年10月以降に肺炎球菌ワクチン接種を開始する生後2か月のお子さんはプレベナー20®で接種開始することになります。

インフルエンザワクチンについて

当院でも例年通り10月1日からインフルエンザワクチン接種を開始します。

今年は従来の注射に加えて、鼻からスプレーを噴霧するだけの経鼻弱毒生ワクチンが接種可能となりました。詳しくは当院予防接種のページでご確認ください。

最大のメリットは痛みがないことですが、それ以外にも従来の注射(不活化ワクチン)より効果が高く、効果の持続期間が長いことも利点として挙げられます。

ただし、デメリットもあります。一つは接種できる年齢が2歳以上19歳未満に限られることです。もう一つは、副作用が半分以上の方にみられることで、多くは鼻づまり、鼻水、倦怠感、微熱など軽度のインフルエンザのような症状です。そういった部分もご理解いただいた上で申し込むようにしてください。

経鼻弱毒生ワクチンについては、今年は医院で購入できるワクチン数に限りがあるため、どこの医院でも接種枠が少ないことにも注意が必要です。

コロナワクチンについて

10月から高齢者対象でコロナワクチンの接種が開始されます。当院では高血圧や高脂血症で通院いただいている当院かかりつけの65歳以上の方を対象として接種を行う予定です。

接種期間:令和6年10月1日〜令和7年3月31日

接種対象となる方:

①接種日に満65歳以上の方

②接種日に満60~64歳の方であって、心臓、腎臓または呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有する方およびヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方

接種費用:各自治体による(守山市は2,100円)

当院にかかりつけの方でコロナワクチン接種を希望される方は、お電話か受付でお問い合わせください。