お子さんの咳、どうすればいい?家庭での対処法と受診の目安

こんにちは。滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
お子さんが咳き込む姿を見ると、心配になりますよね。咳は、体の中に侵入したウイルスや細菌、ホコリなどを外に出そうとする、体の防御反応です。
しかし、咳がひどくなると、夜眠れなくなったり、体力を消耗したりしてしまいます。今回は、ご家庭でできる咳の対処法と、病院を受診すべき目安についてお話しします。
ご家庭でできる咳の対処法
まず、症状が比較的軽い場合の、ご家庭でできるケアをご紹介します。
水分補給と加湿をしましょう

のどが乾燥すると、気道の粘膜が刺激されて咳が出やすくなります。こまめな水分補給を心がけましょう。また、のどや鼻の粘膜の潤いを保つことで、ウイルスの侵入を防ぎやすくなります。
冷たすぎる飲み物はのどに刺激を与えることがあるため、常温か、少し温かい飲み物がおすすめです。
部屋の湿度は50~60%を目安に保つようにし、濡れたタオルを干したりするのも効果的です。冬場や、夏場もエアコンが効くと乾燥しやすいので、特に寝室の加湿を心がけましょう。エアコンの風が直接体に当たらないようにすることも効果的です。
寝るときの姿勢を工夫してみましょう
夜、咳き込んで眠れないときは、上半身を少し起こした姿勢で寝かせてあげると、気道が広がり、呼吸が楽になることがあります。クッションや座布団を背中に当ててあげましょう。
特に、風邪で鼻やのどの粘膜が腫れている時、痰がからむ時などに効果的です。
のどを刺激しないようにしましょう

辛いものや酸っぱいもの、冷たすぎるものなど、のどに刺激を与える食べ物や飲み物は避けましょう。
1歳以上のお子さんの場合、寝る前にスプーン1杯のはちみつを舐めさせると、咳を抑える効果があるという報告もあります※)。ただし、1歳未満のお子さんには「乳児ボツリヌス症」の危険性があるため、絶対に与えないでください。
お部屋の環境を整えましょう

ホコリやダニ、ペットの毛などが原因で咳が出ることがあります。こまめな掃除と換気を心がけましょう。
タバコの煙は気道を刺激し、咳を悪化させる大きな原因となります。ご家族に喫煙者がいる場合は、お子さんの前では絶対に吸わないようにしてください。
病院を受診する目安
家庭でのケアで様子を見ていても、以下のような症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
呼吸が苦しそう
息をするときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音がしたり、息が荒く不規則になるときは呼吸困難のサインです。また、鎖骨のつけ根やみぞおちが凹むのは「陥没呼吸」といって、息が吸いにくいときにみられる症状です。
激しい咳やその他の症状
犬の鳴き声やオットセイの鳴き声のような「ケンケン」という咳が出たり、咳がひどくて夜寝られず、咳のために何度も吐いてしまうときは受診するようにしましょう。
また、顔色が悪く唇が青紫色になっている場合、酸素が足りていない可能性があります。すぐに受診するようにしましょう。
長引く咳
風邪の他の症状(鼻水や熱など)は治まったのに、2週間以上咳だけが続いているときや、朝方や夜だけ咳が出る場合には受診するようにしましょう。

当院は小児科と耳鼻咽喉科がありますので、「風邪かな?」「鼻水からくる咳かな?」と迷われた際も、安心してご相談いただけます。必要に応じて小児科医と耳鼻咽喉科医が連携して診察を進めますので、どうぞお気軽にご来院ください。