睡眠時無呼吸症候群の検査
滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
今回は、いびきが気になる方・夜間に息が詰まる感じがして起きてしまう方必見、睡眠時無呼吸症候群の検査についてのお話です。
睡眠時無呼吸症候群については当院ホームページの特集ページや過去のブログもご参考になさってください。
特集ページ:睡眠時無呼吸症候群の診療
検査の種類は2つ
睡眠時無呼吸症候群の診断には、スクリーニング検査と精密検査の2段階があります。
スクリーニング検査
スクリーニング検査は、入院する必要がなくご自宅で検査を受けていただくことができます。
指先につけるパルスオキシメーターという機械と、鼻の下につける気流のモニターを使用して、睡眠中の酸素濃度、脈拍数、簡単な呼吸の状態を測定します。また機械の種類にもよりますが、胸やお腹にセンサーを巻き付けて、呼吸運動や就寝中の体位をみることができるものもあります。
- 当院でのスクリーニング検査の流れ
- 当院耳鼻咽喉科での診察後、検査の機械をご自宅に郵送、または検査の機械を取り扱う業者の方が検査キットをご自宅に持参されます。
- 指示に従ってセンサーを装着し、自宅で就寝します。
- 検査終了後、検査キットを返送します。
- 検査結果の解析が終わり次第、医師から結果をご説明します。
- スクリーニング検査の費用
検査費用は自己負担率が3割の方で3,000円です。
- 検査結果について
スクリーニング検査の結果、無呼吸や低呼吸などの呼吸イベントが1時間あたり40回以上だと、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断できます。検査の結果によっては、呼吸イベントが1時間あたり40回未満でも次にご説明する精密検査が望ましいことがあります。(いずれも成人の場合)
- スクリーニング検査の利点
費用が精密検査に比べ安価であること、入院が不要でお仕事や子育てで忙しい方でも検査が行いやすいことが挙げられます。
精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査/PSG)
精密検査(PSG)は睡眠時無呼吸症候群の確定診断と重症度評価に欠かせない検査です。入院して1泊2日程度かけて、以下のデータを測定します。
- 呼吸運動
- 鼻呼吸気流
- 酸素飽和度
- 体位
- 脳波
- 眼球運動
- 筋電図(顎の筋肉活動)
- 心電図
- いびき音
これらのデータから、無呼吸低呼吸指数(AHI)が算出されます。AHIが1時間あたり5回以上で日中の眠気などの症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます(成人の場合)。
当院ではPSG検査を行っておりませんが、スクリーニング検査の結果、必要と判断した場合はPSGを行える病院へご紹介しております。
- 精密検査の検査費用
入院して行う検査ですので病院によって費用が変わりますが、3割負担の方で2~4万円程度です。
- 精密検査の利点
PSG検査では、脳波、眼球運動、筋電図などのデータから、睡眠の深さや質を詳細に評価できます(スクリーニング検査では睡眠の質までは評価できません)。
また、スクリーニング検査では見逃してしまう軽症から中等症の無呼吸も正確に評価することが可能です。
さらに、睡眠時無呼吸症候群以外にも、周期性四肢運動障害やレム睡眠行動異常症などの他の睡眠障害の有無も判断できます。
睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみたいと思ったら
いびきや日中の眠気、夜間の息苦しさなどの自覚症状がある方は、まずはスクリーニング検査から受けてみることをおすすめします。自宅で気軽に検査でき、睡眠時無呼吸症候群の早期発見につながります。
当院では耳鼻咽喉科で睡眠時無呼吸の診療をしております。検査の結果、精密検査が必要と判断した場合は検査ができる医療機関へご紹介いたします。お気軽にご相談ください。