睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは?
睡眠時無呼吸症候群の中でも最も頻度の高い閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に気道が狭くなり呼吸停止、または低呼吸になる疾患です。糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患を高率に合併し、不眠や日中の眠気を引き起こすため交通事故や労働災害の原因となるなど、社会的に大きな問題となっています。
睡眠時無呼吸症候群の原因は?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の病態でほとんどを占めるのが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS:Obstructive SAS)です。寝ているときに舌の付け根が落ち込んでしまうことや、扁桃肥大、気道周囲の脂肪沈着、あごの大きさや位置の異常によって上気道(空気の通り道)がふさがったり、狭くなったりする事で起こります。
肥満が最大の原因で、体重が10%増加するとOSASになる危険が6倍になると言われています。また小柄な方でも、あごが小さい事や、加齢による呼吸筋活動低下から、OSASが隠れている人もいます。
睡眠時無呼吸症候群の合併症
睡眠時無呼吸症候群は、頻繁に起こる無呼吸により血液中の酸素低下、中途覚醒(脳の起床)による睡眠の分断等により、多くの生活習慣病の合併症を引き起こす事が明らかになっています。
健常人に比べて、高血圧は1.78~1.96倍、糖尿病は1.31~1.63倍かかるリスクが高くなると報告されています。また夜間心臓突然死、脳卒中・脳梗塞のリスクも高くなり、心不全の発症と増悪にも関与すると言われています。
合併症
SASを放置するとさまざまな合併症や交通事故、それに生命を脅かす原因となります。
下記の原因の一つにSASがあることが指摘されています。
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査、治療を行っています。
当院では、ご自宅で簡単に行える睡眠時無呼吸症候群の検査を導入しています。ご自宅で行え、就寝時に検査機器を装着していただくことができ、入院の必要がありません。
睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠時無呼吸症候群の治療法には様々な方法がありますが、最も代表的な治療法はCPAP療法です。検査の結果、中等症以上の方は、保険適応での治療の対象となります。当院では、CPAP装置のデータを遠隔にてモニタリングを行うことができます。他の病院やクリニックからの紹介・転院につきましても対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
また、鼻づまりや口蓋扁桃肥大により上気道が狭くなっている場合は、手術治療によって睡眠時無呼吸症候群が改善することがあります。診察で手術による改善が期待できると判断される場合は、必要に応じて提携病院へご紹介いたします。
CPAPってどんな治療なの?
CPAP療法は、器械からホースを通して鼻マスクへ空気を送り、その圧力で、舌を持ち上げ気道を確保します。この療法は睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、睡眠時無呼吸症候群による症状の改善が期待されます。慣れるまで2~3ヵ月ほどかかる人もいますが、当院では継続して使えるようになるまで細やかにサポートいたします。