イネ科花粉症について

滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

ゴールデンウィークがあけてようやく花粉症の症状が治まったと思ったのに、田植えの時期が来てまた急に花粉症の症状が出てきた、という方は、こちらの記事を読んでいただくことをお勧めします。

イネ科の花粉症

イネ科の花粉飛散のピークは関西では4月下旬から5月いっぱいと、8月上旬から9月上旬、10月上旬です。

「田植えの時期」とお伝えしましたが、イネ科花粉はお米の稲の花粉だけではありません。

イネ科花粉はカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなど種類が多く、またアレルゲンのタンパク構造がよく似ているため、一つにアレルギー反応が出ると他の種類のイネ科花粉にも反応を起こしやすいという点でやっかいです。

特にイネ科花粉症の原因となりやすいのはカモガヤです。

カモガヤ
ハルガヤ
オオアワガエリ

イネ科の花粉の飛散距離は数十メートル程度と狭く、山から離れた遠くまで飛散するスギやヒノキと違い、近づかなければあまりアレルギー反応が出ることはありません。しかし、知らずに近づくとアレルギー反応が出てしまうことがあるので、イネ科の雑草が生えている場所に近づかないことが予防になります。

治療法

症状が出てしまったら、お薬で症状を緩和させることができます。

スギ花粉症やヒノキ花粉症と同じく、抗アレルギー薬が有効です。市販薬でも改善しない場合は、ひどくなる前に耳鼻咽喉科やアレルギー科を受診してください。

特定の食べ物に注意が必要なことも

イネ科花粉症の方は、特定の食べ物に注意が必要な場合があります。

メロン、スイカ、トマト、キウイ、オレンジ、ピーナッツなどは、イネ科の花粉とたんぱく質の構造が似ているため、イネ科花粉症の方がこれらの食べ物を食べた時にアレルギー反応を起こすことがあるのです。「口腔アレルギー症候群」といって、未消化の食品が触れた口の中に症状が出ることが多いです。

症状が出ない場合はむやみに摂取を控える必要はありませんが、食べて口の中がかゆくなるなどの症状が出る場合は避けた方が安全でしょう。

口腔アレルギー症候群については過去のブログもご参照ください。