手足口病が増えています

滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

暖かい気候の影響でしょうか、夏風邪の一種である手足口病でこられる患者さんがちらほらみられるようになってきました。

手足口病の患者数は例年、5月中旬から全国的に増えだし、7月下旬から8月中旬にピークを迎えます。

手足口病とは

手足口病はエンテロウイルス感染症で、夏風邪の一種です。

手足に小さな水ぶくれや赤い発疹が出て、口の中にも口内炎のような白い斑点が出ます。大人も感染しますが、乳幼児に多い感染症です。

38℃程度の発熱や下痢、嘔吐などのお腹の症状が出ることがあります。

一般的にはこのような症状は軽症にとどまりますが、口内炎が痛くて食事がとりにくくなり、脱水をきたす場合は入院の上 点滴治療が必要になることがあります。

発疹は手足だけでなく、太もも、膝の裏、おしりにも出ることがあります。見た目に重症感がありますが、最終的には痕が残ることなく治ります。

エンテロウイルスには多数の型があり、一度かかってもまた再発することがあります。

治療法について

一般的には発症から数日で自然に治ります。今のところ根本的な治療方法はありません。

ごくまれに脳炎や心筋炎などの重篤な合併症が起こることがあるので、発熱などがあるときはなるべく安静にしておきましょう。

口内炎がひどいときには、軟らかい刺激の少ない食べ物を食べるようにして、こまめに水分補給をしてください。

食べたり飲んだりしにくくなり脱水を起こすことがありますので、口の症状が強いときには小児科を受診してください。

感染を拡げないために

感染経路の多くは、患者さんの便中に排泄されたウイルスや、つぶれた水疱の中のウイルスが手指を介して口に入ってくることです。

エンテロウイルスにはアルコール消毒が効きませんので、手洗い、うがい、食器やタオルの共用を避けるなどの対策をしましょう。

ウイルスの便への排出は感染後4週間続きます。お子さんの症状が改善してもしばらく注意が必要です。

また妊娠中にお母さんがこの病気にかかっても、おなかの赤ちゃんへの影響はないものと考えられています。

登園・登校はいつからできる?

発熱が治まって元気で食事も食べられれば、登園・登校できます。