子どもの発熱について
滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
当院ではご来院いただいた方に必ず診察前の検温をお願いしています。ご本人の診察のためと、みなさんの感染対策のために行っているのですが、特に低年齢の方ではおうちでは平熱だったのに、来院すると37℃を少し超えている、という方がよくいらっしゃいます。
子どもに関しては37.5℃以上が発熱と考えられています。
特に1歳以下の乳児の場合は平熱が高く、外が寒いときに服を着こむだけですぐに熱がこもってしまいます。一度測って微熱があっても、お元気にしておられる場合は時間をおいて何度か測ると下がってくることもしばしばです。
子どもの発熱の原因
子どもの発熱の原因の多くが感染症です。そして感染症の原因の多くはウイルス感染で、2~3日経つと自然に熱が下がることがほとんどです。
体の免疫は体温が上がるとより働きやすくなります。体が感染症と戦うために環境を整えているわけです。
熱の上がり始め
熱の上がり始めには寒気がして体が震えることがあります。筋肉を震えさせることで体温を上がりやすくしているのです。手足が冷たくなっていることも熱の上がり始めに多い症状です。
この段階で保温してあげると、楽に体温を上げることができ免疫反応を手助けすることが期待できます。
解熱剤の使い方
熱が上がりきると、手足が温かくなってきます。この時点で厚着しているとつらいので、一枚薄着にしてあげると良いです。
解熱薬の処方箋には「38.5℃以上の発熱の時」など、目安となる体温を記載していますが、これはあくまで目安です。
たとえ微熱であっても、
・ぐったりしている
・しんどくて水分も食事もとれない
・しんどくて寝られない
上記のような場合は、解熱剤を使って構いません。熱が下がって元気になっている間に水分補給してあげると、体力を温存できます。
反対に、39℃、40℃の高熱があっても、
・元気に遊んでいる
・食事が取れて尿もしっかり出ている
・すやすや寝られる
上記のようなときは、解熱剤を使う必要はありません。
熱を上げるのにも体力を消耗するので、解熱剤を使用してまた発熱、ということを何度も繰り返していくうちにしんどくなっていくことがあるからです。
高熱が続いて心配! 本当に熱を下げなくても大丈夫?
高熱が続くと脳がダメージを受けるのではと心配になりますよね。脳へのダメージを起こす髄膜炎や脳炎は高熱が出ることが多いため、「高熱が出て後遺症が残った」と考えられるのかもしれません。
実際は熱が脳のダメージの原因になっているわけではなく、髄膜炎や脳炎のときに解熱剤を使用しても脳へのダメージが避けられるわけではありません。
髄膜炎や脳炎のときは、熱のほかに何度も吐いたり、ぐったりしていて反応が悪い、けいれんを起こすなどの症状が出ます。このような症状があるときはおうちで様子をみず、すぐに受診をしましょう。
また、医療機関に受診してから4-5日経過しても熱が下がらない場合も受診してください。