溶連菌感染症について
3月 10, 2023
滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
のどの痛みで受診される方に「溶連菌ではありませんか」というご質問を受けることがあります。
「溶連菌(ようれんきん)」とは「A群溶血性連鎖球菌」という細菌のことです。のどの痛みが起こる病気のほとんどはウイルス感染症ですが、なかには細菌感染が原因のものがあります。そのひとつが溶連菌感染症です。
かかりやすい時期
潜伏期間は2~5日です。春休みが終わるころから初夏にかけて流行がみられ、ゴールデンウイークには一旦落ち着きます。再び夏休みにピークを迎え、秋から初冬にもかかりやすくなります。
通常熱は3~5日以内に下がり、症状は1週間以内に消えますが、以下のような強い症状が出ることがあります。
主な症状
診断の方法
診察で溶連菌に特徴的なのどの所見や症状があれば診断ができます。のどの粘液を綿棒でこすって検査をすることもあります。検査にかかる時間は数分です。
治療
抗菌薬で治療を行います。治療の目的は症状を和らげることはもちろんですが、合併症の予防です。処方された抗菌薬は症状が治まってもしっかりと飲み切るようにしましょう。薬の種類によっては10日間の内服が必要なこともあります。
抗菌薬を飲み始めて2~3日たってものどの痛みが治まらないときは受診してください。
予防できる?
子どもがかかりやすい病気ですが、家庭内感染で大人にうつることも多い病気です。
感染経路は飛沫感染・接触感染です。手洗い・手指消毒をしっかりと行いましょう。
登園・登校について
抗菌薬を飲み始めてから24時間以上経って、熱がなければ登園・登校は可能です。
小さいお子さんでは、食事がとれるようになった、機嫌よく遊んでいるなどの様子も目安にしてください。