インフルエンザが流行しています
滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
昨年末からインフルエンザが流行してきており、当院でもインフルエンザの患者さんが多くなってきました。コロナよりも少しインフルエンザの方がのどの赤みが目立つかなという程度で、症状だけではほとんどコロナとインフルエンザは区別がつきません。急な発熱がみられた方は早めの受診をお勧めします。
滋賀県のインフルエンザ発生状況
さて今シーズン、滋賀県でインフルエンザ患者が初めて報告されたのは昨年の9月第4週でした。以降は目立った報告はありませんでしたが、11月初旬から徐々に増え始めました。
滋賀県のインフルエンザの報告数は以下の通りです。(ちなみに、インフルエンザはコロナとは異なり、決まった病院でのみ報告が義務付けられている疾患ですので、全体の感染者数よりは少なくなっています。)
このグラフを見ると、年明けから急激に感染者数が伸びていることがわかります。当院の日々の診療における印象とも一致します。
厚生労働省は昨年12月19日から12月25日の感染症発生動向調査の速報で、インフルエンザが流行シーズンに入ったと発表しています。
インフルエンザで入院している人の内わけ
次に、今シーズンに入ってからこれまで(2022年9月から2023年1月22日まで)の間に全国でインフルエンザのために入院となった方を年齢別にみてみましょう。
年齢ごとの人口が異なりますが、それを考慮しても、9歳未満のこどもと80歳以上の高齢の方が入院となる人が多いことがうかがえます。
インフルエンザにかからないために
インフルエンザの予防には流行前のワクチン接種が有効です。インフルエンザワクチンは感染後に発症する可能性を減らす効果と、発症後の重症化予防に有効と報告されています。
また、新型コロナウイルスに対する予防と同様、インフルエンザも手洗いとアルコール消毒でウイルスを物理的、化学的に除去することができます。
適度な湿度を保つことも大切です。湿度50~60%の環境が推奨されています。そしてこれは他の病気に対しても言えることですが、十分な休養と睡眠、バランスの取れた食事を心がけて、抵抗力を高めましょう。
インフルエンザにかかってしまったら
これまでみてきた入院患者数の内わけからも分かる通り、インフルエンザも新型コロナと同様、小さなこどもや高齢の方、基礎疾患のある方がかかると、時に命にかかわることもある怖い感染症です。インフルエンザにかかってしまったら、ご自身の体調を優先し感染を広げないためにも、人混みへの外出は控え、無理をして職場や学校へ行かないようにしましょう。
また、高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪ければ早めに受診してください。
学校保健安全法では、小学校・中学校・高校・大学は「発症後5日間、かつ解熱後2日間の出席停止」が定められています。また、幼稚園・保育園は「発症後5日間、かつ解熱後3日間」は登園を避けるように定められています。
一旦解熱したあとに再び発熱した場合は、最後に熱が下がった日を解熱した日と考えます。
異常行動に注意
インフルエンザにかかった際に、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、うろうろするなどの異常行動が報告されています。過去には窓からの転落事故なども起こっています。熱が出てから48時間以内に起こすことが多いと言われています。
自宅で療養される場合は、以下のような対策を行いましょう。
・窓の鍵を確実に閉める
・ベランダに面した部屋に寝かせるのは避ける
・一戸建ての場合はできるだけ1階で寝かせるようにする