新型コロナウイルスと湿度の関係について
11月 17, 2022
滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
近頃めっきり寒くなってきました。
寒くなるとかぜ薬のCMが多くなるとおり、だいたいのかぜは冬季に流行するのが一般的です。なかには「プール熱」の原因ウイルスなど、暑くてじめじめした気候が好きなウイルスもありますが、多くのかぜのウイルスは気温が下がって湿度が低い冬に活発になります。
コロナが流行し始めた2020年に、アメリカのトランプ前大統領が「暖かくなったらコロナは消えてなくなる」と予想していて私もそう期待していたのですが、2020年の夏には日本にも第2波がきて、その後も四季折々コロナの波がやってきてしまいました。
コロナはどのような気象条件で伝搬しにくくなるのでしょうか。
新型コロナウイルスと湿度との関係について書かれたドイツの論文(Viruses 2022, 14(7), 1497;https://doi.org/10.3390/v14071497)の内容をご紹介します。
それによると、新型コロナウイルスは20℃の気温では、40%以下の低い湿度や、80%以上の高い湿度の環境では長期間生存するそうです。
一方20℃の気温で湿度40~60%の環境では、ウイルスの表面の構造変化によって感染力が下がるということです。
これからの季節、暖房に加えて感染予防のため加湿器を使われる方が多いと思いますが、「乾燥しすぎ」だけでなく「加湿しすぎ」ることも気にしないといけないようです。湿度計も上手に利用して、お部屋の環境を整えるとよいですね。