2026年春の花粉飛散予測

こんにちは。滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

毎年11月頃は翌年の花粉飛散予測が発表されます。今回は当ブログでは毎年恒例となる、最新の予測情報と早めの花粉症対策のポイントをお伝えします。

日本気象協会ホームページから転載しています

日本気象協会やその他の機関から発表された予測(2025年11月現在)によると、2026年春の近畿地方のスギ・ヒノキ花粉飛散量は、全体として例年よりもやや多めとなる見込みです。

滋賀県でも、「例年並み」または「やや多め」との予測が出ています。これは、花粉の量に大きく影響する前年夏の天候(日照時間や気温)が雄花の生育に適していたためです。

滋賀県でのスギ花粉の飛散開始は、例年通り2月中旬から下旬頃と予想されます。

初期療法とは、症状が出る前(=飛散開始時点)または症状が軽度のうちに薬を開始して、ピーク時の重症化を防ぐ治療法です。

花粉症の治療に使うお薬は、薬の種類によって、効果の現れ方に違いがあります。この違いを知っておくと、より効果的に初期療法を進められます。

抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬など、花粉症に用いる内服薬は、比較的早く効果を発揮します。そのため、花粉が飛び始める予測日に飲み始めるか、または「くしゃみが出始めた」「鼻がムズムズしてきた」といった症状が出始めたタイミングで開始しても、十分に効果が期待できます。

鼻噴霧用ステロイド薬(鼻の粘膜の炎症を抑える薬)は、効果が安定して現れるまでに数日~1週間程度かかるじわじわ効くタイプのお薬です。点鼻薬は「早めに準備して、粘膜の炎症を未然に防ぐ」ことが重要になります。

毎年重症で、お仕事や勉強に支障が出る方は、1月中旬には受診をして飛散開始に備えましょう。

せっかく花粉症の開始時期を確認しても、思ったよりも暖かくなる日が早いと飛散開始が早まる場合があります。

このブログでも最新の花粉症予測は追ってお伝えしますが、「ご自身の症状の始まり」を大事にして治療を開始することも大切です。

舌下免疫療法は、花粉症を根本から治したい方に向けた治療法です。少量のアレルゲン(スギ花粉のエキス)を含む薬を舌の下に投与し、体を徐々に慣らしていくことで、アレルギー反応を起こしにくくします。

治療開始は花粉の飛散期を避ける必要があるため、今シーズンに治療開始を希望される場合は、当院では遅くとも11月中には始めることにしています。治療をご希望の際は予約時にお知らせください。

舌下免疫療法については過去のブログに記載しております。

舌下免疫療法について その1 免疫療法のしくみ編

           その2 実際の治療編

花粉症に限らず、アレルギー疾患はアレルゲン(アレルギーのもと)を体に入れないことが何よりも大切です。

外出時はマスクや花粉症予防の眼鏡を着用し、花粉の吸入や目への侵入を防ぎましょう。

玄関に入る前に服や髪についた花粉をしっかり払い落とし、すぐに着替えましょう。窓を閉め、洗濯物はできるだけ室内干しにしてください。

就寝前などに生理食塩水などで鼻うがいをすることで、鼻の粘膜に付着した花粉や炎症物質を洗い流すことができ、症状緩和に役立ちます。