舌下免疫療法について その2

滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

今回は前回に引き続き、スギ・ダニのアレルギー性鼻炎に対する唯一の根本治療である舌下免疫療法についてのお話です。

当院小児科ではアレルギー診療に力を入れています。お困りの方はご相談ください。

舌下免疫療法の実際

プリックテストや血液検査などでアレルギーの診断をしたのち、舌下免疫療法の詳しい内容についてご説明します。

まず医師の見守りのもと舌下免疫錠を服用していただき、健康状態に問題がなければご自宅での治療が開始となります。

治療開始後、1週間後に受診して副反応などのチェックを行います。服薬の仕方や副反応が落ち着けば1か月に1回の受診を続けます。1~2年で舌下免疫療法の効果がみられれば、3年から5年間治療を継続します。

効果が実感できるまで、これまで使用しているアレルギー性鼻炎のお薬は継続します。

舌下免疫療法の開始時期

スギ…スギ花粉症の時期に治療を始めると副作用が強く出る恐れがあるため、スギ花粉の飛散期である1月から5月は避けて治療を開始します。

ダニ…ダニはいつからでも治療を開始できます。

治療の副作用について

口の中の違和感、かゆみ、粘膜の腫れが最も多い副作用です。

またくしゃみ、鼻水など鼻炎症状や、胃腸症状、耳や目のかゆみが出る場合があります。

これらの症状は治療開始直後が最も多く、お薬を服用後は速やかに症状が改善し、1週間程度で徐々に出なくなっていくことが多いです。ダニの方がスギに比べて副作用が出やすいです。

また非常にまれですが、アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応が起こる可能性があります。(1億回に1回の頻度とされています)

舌下免疫療法での注意点

錠剤を1分間舌の裏でつばを飲み込まずにためなければいけませんので、少しの間じっとがまんできるかどうかの見極めが必要になります。また中学生ぐらいまでは服薬の管理、副作用が出た時の対応などにご家族の方のサポートが必要です。

また、体育の授業や部活等の激しい運動の際には副作用が起こる恐れがありますので、服用前、服用後の2時間は激しい運動は避けましょう。服用前に激しい運動をした場合も十分落ち着いてから服用することが大切です。

入浴・飲酒も血流が良くなって副作用が起こるリスクが高まりますので、服用前、服用後の2時間は避けてください。また、服用後2時間以降にこれらを行う場合にも注意してください。

毎日服用することが原則ですが、修学旅行や林間学校などのときは無理せず服用をお休みすることも一つの考えです。肉体的にも精神的にも日常と大きく環境が異なる状況では副作用が出やすくなるからです。

また予防接種を受けるときは個別に判断が必要ですので、ご相談ください。口の中に傷がある場合も、傷口から直接アレルゲンが血中に入ってしまって副作用が出やすくなりますので、乳歯が抜け出血しているとき、抜歯治療直後もお薬をお休みします。

舌下免疫療法の費用

滋賀県は6歳未満の方は無料、6歳以上で子どもを対象とした福祉医療券をお持ちの方は月500円の窓口負担です。

大人の方は健康保険で3割負担の方は定期通院で月に2~3000円程度の自己負担となります。