めまいについて

滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

今回はめまいについてのお話です。

身体のバランスをとるしくみを平衡機能といいます。

平衡機能は、私たちが立ったり歩いたりする際に、姿勢を保ち、周囲の環境に適応するために非常に重要です。平衡機能は、視覚前庭深部感覚(筋肉や関節の位置感覚)の3つの主な情報源から成り立っています。

  • 前庭

前庭は、耳の奥にある内耳という場所にある器官で、身体の回転や直線的な動きを感知します。前庭は、主に三半規管耳石器から成り立っています。

三半規管: 頭を回転させたときに、その動きを感知します。三半規管内には液体が流れており、頭を動かすと液体が動き、その動きがセンサーによって感じ取られます。この情報は脳に送られ、頭の回転方向や速さが認識されます。

耳石器: 頭を上下に動かしたり、前後に傾けたりしたときに働きます。耳石器内には小さなカルシウムの結晶(耳石)があり、頭の位置変化に伴って耳石が動き、その動きがセンサーによって感知されます。これにより、身体の姿勢や直線的な加速度が感知されます。

  • 視覚

私たちは目を使って周囲の環境を見渡すことで、体の位置や動きを把握しています。

周りの景色が動くと、 脳は視覚情報を頼りにして、体の動きに対する補正を行います。視覚が失われると、正確にバランスをとることが難しくなることがあります。

  • 深部感覚(体性感覚)

深部感覚は、身体の筋肉や関節、皮膚などにあるセンサーから得られる情報です。身体の姿勢や位置、筋肉の緊張度を感知して、脳に知らせます。

バランスの感覚はこうして前庭、視覚、深部感覚で情報を感知し、それぞれ神経を介して脳で統合されます。この情報をもとに、脳は身体の位置や動きを正しく維持するために必要な指令を出します。

例えば、片足で立つときや歩くとき、脳は身体のバランスを保つために、筋肉を適切に動かす命令を送ります。

めまいの原因というと、貧血や疲れ、頭の病気を思い浮かべる方が多いですが、実はめまいの原因のおよそ7割が耳が原因で起こります。

耳が原因で起こるめまいの病気については、当院のホームページ「診療のご案内(めまい)」にも簡単にご紹介しております。これらは三半規管、または耳石器が原因で起こるわけですが、原因によってそれぞれめまいの治療や予防法が異なります。

次回は、めまいの予防法についてお伝えします。