めまいの予防

滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

前回のブログ「めまいについて」では、体のバランスをとる機能を中心にお話ししました。今回はそれをふまえてめまいの予防についてお話しします。

前回の簡単なおさらいです。耳には身体の回転や直線的な動きを感知するセンサーがあります。このセンサーが脳に情報を伝えます。

脳は、耳からの情報と周りの景色、足の筋肉などのセンサーからの情報をもとに、身体の位置や動きを正しく維持するために必要な指令を出します。

そうすることで、体は周囲の状況に応じたバランスを適切にとることができるのです。

めまいは原因がさまざまであり、誰にとっても有効という治療はありません。

そこで、おおまかに症状別に有効なリハビリをご紹介します。これらは目の動きや体を回転させたときの反射、体性感覚を鍛えることで、めまいの予防や症状の軽減につながります。

  • 頭を動かしたときに起こるめまいを軽減するリハビリ

椅子座って利き手を顔の正面に伸ばし、親指の爪を見ながら頭を左右に動かして10回往復します。

めまい感が悪化する場合がありますが、徐々に慣れていきますので頑張りましょう。1日2~3回繰り返します。

めまい感がつらいうちはゆっくりと行い、慣れたらスピードを速めていくと効果的です。

  • 身体のふらつきを改善するリハビリ

椅子に座って利き手を顔の正面に伸ばし、頭を動かさずに親指の爪を見ながら左右に手を10往復します。

頭を動かさないことが大切ですので、利き手でない方の手で顎を触れて頭を固定します。

慣れたら利き手を動かすスピードを速めましょう。

しっかりと親指の爪を指標にして行うことが大切です。

  • 立った状態で前後左右に揺れるときのリハビリ

ご年齢を重ねてると、立った時に前後左右にふらつきが持続する方が多く、その際に有効なリハビリです。

平らな地面の上で行いましょう。

①つま先立ち

最初は1秒に1回背伸びをする要領で行い、1セット10回を毎日行います。

慣れたら1日2セット、さらに1日2セット×朝夕2回を続けましょう。

②片足立ち

片足立ちは最初から苦手が側がわかりますので、左右同じ回数ではなく、苦手な方を多く行うことで転倒を防止できます。

片足立ちを続けると、階段の上り下りの際に足を踏み外しにくくなり、立って靴下をはくことができるようになります。

1回の片足あげ時間を15秒、回数は左右3回ずつ行いましょう。慣れたら片足30秒を挙げられるようにがんばりましょう。

参考文献 新井基洋:めまい・平衡障害のリハビリテーション 日耳鼻 123: 307⁻314,202