のどのケアについて
滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
今回はのどのケアについてのお話です。
声が出るしくみ
肺から出た空気が気管を通って、のどにある「声帯」を振動させることによって声が出ます。
声帯は高速で振動するため、使い過ぎや不自然な声の出し方によってダメージを受けやすい器官です。
また、風邪をひいて強い咳が出たり、胃酸の逆流によって繰り返し声帯が炎症を受けると、声帯の一部にタコ(声帯結節といいます)やポリープができることがあり、手術が必要になる場合もあります。
のどのケアの方法
のどに炎症がある場合や声がかすれやすい方は、次のことに気を付けてください。
- のどに炎症が起こっているときの注意点
①のどを安静にする
声帯を振動させないために、3日間程度、完全に沈黙を守っていただきます。ささやき声やハミングもNGです。自然に出てくる咳は止められませんが、咳払いも声帯にダメージを与えるため控えましょう。
必要以上に長く声を出さないでいると、かえって声帯がやせてしまったり声が出しにくくなってしまうことがありますので、あまり長期間沈黙することはかえって発声に良くありません。3日過ぎたら徐々に発声をしていきましょう。
②沈黙期間が終わったら
3日間の沈黙期間が終わったら、無理のない範囲で声を出し始めます。内輪話や図書館での話し声を目安に、ささやき声でない小声で話すようにします。最初から長時間話すことは避け、こまめに休憩をとるようにしましょう。
- 日頃からののどのケア
①のどの保湿
声帯は乾燥するとうまく振動できなくなってしまい、傷がつきやすくなってしまいます。
1日あたり500mlのペットボトルで3本~4本を目安に、こまめに水分をとるようにします(持病があり医師から水分の摂取量を制限されている場合はそれを守ってください)。
加湿器を使用して部屋の加湿をしたり、吸入器でのどを潤すことも有効です。水でのうがいや、マスクの着用ものどの加湿に効果的です。
②胃酸の逆流をふせぐ
胃酸がのどまで逆流してくると、声帯にダメージを与え咳や声がれの原因となることがあります。胃酸を増やすアルコールやカフェインの摂取を控えたり、食後すぐに横になることを避けましょう。
③禁煙する
たばこの煙によって声帯が傷ついたり、むくんだりします。禁煙しましょう。
④大声やささやき声を出さない、長時間声を出し続けないようにする、咳払いをしないようにする
のどを酷使すると、声帯やその周囲の組織がダメージを受けます。
ゆっくりと声を出すように心がけ、騒がしい環境での発声をなるべく避けるようにしましょう。
声がれが残ってしまったら
声がれが治らない場合は、声帯の状態を確認して声がれの原因を診断することが大切です。耳鼻咽喉科へご相談ください。