麻疹(はしか)に注意

滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

現在、麻疹(はしか)がアフリカや中東、東ヨーロッパ、東南アジアなどを中心に世界中で流行がみられています。

日本でも2024年2月下旬、アラブ首長国連邦から関西空港に到着した旅客機に乗っていた、大阪府、愛知県、岐阜県に住む男女合わせて5人の感染が3月7日までに確認されました。ニュースでもご覧になった方がいるのではないでしょうか。

麻疹はどんな病気か

麻疹ウイルスによる感染症です。非常に感染力が高く、手洗いやマスクでは防げません。

感染すると10日間程度の潜伏期の後に、発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状や、目が赤くなったり目やにが出たりなどの結膜炎症状が出ます。下痢をすることもあります。

それが2~3日続いた後、39℃以上の高熱と全身の発疹が出現します。合併症が起こらなければ7日~10日後には回復します。

感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています。インフルエンザでは1~2人、2020年感染拡大初期の新型コロナウイルスは2~5人ですから、その感染力の強さがわかります。

子供だけでなく大人も重症になり、脳症や肺炎などの合併症で命にかかわることもあります。

新型コロナウイルスなど、感染しても症状が出ないことがある感染症と違い、麻疹は免疫のない方が感染した場合ほぼ100%発症します。

残念ながら治療法はなく、症状が回復するまで1か月程度かかります。

麻疹の予防接種が唯一の予防手段です。

注意すべき年代の方

麻疹は予防接種で予防が可能です。

麻疹の予防接種を過去に受けていない方、もしくは1回しか接種していない方は注意が必要です。

ご自身の予防接種の状況が不明な方は、以下のホームページの情報を参考になさってください。

年齢でみる不足している可能性があるワクチン(キャッチアップスケジュール) こどもとおとなのワクチンサイト (vaccine4all.jp)

ワクチンの定期接種は1歳と小学校入学前の2回です。

1 歳以上で 2 回の麻疹含有ワクチンの接種記録がある方、麻疹にかかったことがある方、発症予防に十分な麻疹の抗体価がある方は基本的に予防接種を受ける必要はありません。

なお、免疫抑制剤による治療を受けている方、現在妊娠中の方は麻疹の予防接種を受けることはできません。その場合、麻疹の流行期にはご自身の抗体価を検査しておくことをお勧めします。もし抗体価が十分でない場合は、人が集まるところや海外渡航を避けるようにしましょう。

麻疹かも!?と思ったら

発熱や鼻水、咳、結膜炎などかぜに似た症状が出た後、赤い発疹が全身に出た場合は麻疹が疑われます。

病院に受診する前にあらかじめ麻疹の可能性を考えていることを必ず電話で伝えていただき、病院の指示をあおいでください。

同じ電車やバスに乗っただけで感染が拡大することがありますので、受診の際は公共交通機関は使わずに、なるべく自家用車で受診してください。

麻疹ワクチンについて

現在、麻疹の流行に対する危機感の高まりを受けて全国的に麻疹ワクチンおよびMRワクチン(麻疹風疹ワクチン)が不足しています。希望されても在庫がなく、接種できないことがあります。ご了承ください。