正しい保湿ケアのススメ その1
滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
最近急に寒くなり、お肌が乾燥しやすくなりましたね。
特にお子さんは乾燥した状態で放っておくと、かいてしまって湿疹ができることがあります。だからこそ、乾燥肌は予防と早めの治療が重要です。
今回から2回に分けて、乾燥肌を予防するために欠かせない保湿剤についてお話ししましょう。
保湿剤はどれを選べばいいの?
ドラッグストアに行くと保湿剤がたくさんあり、どれを使おうか悩んでいる方も多いと思います。
医薬品として医療機関で処方される保湿剤にも多くの種類があり、ワセリン、プロぺト、ヒルドイドなどがよく処方され、ご存知の方も多いと思います。
ではこれらの保湿剤はどのような違いがあるのでしょうか。
保湿剤の種類
保湿剤はその作用機序の違いから「エモリエント(emollient)」と「モイスチャライザー(moisturizer)」に分類されます。
- エモリエント(emollient):白色ワセリン、プロぺト、亜鉛華単軟膏など
エモリエントは皮膚を軟らかくする油脂性の塗り薬です。
皮膚表面に油脂膜を作ることで皮膚をおおって水分が蒸発するのを防ぎます。
時間が経つと角質層に水分が蓄積して、皮膚を軟らかくしてくれます。
エモリエントは、油脂膜を形成することで外部からの刺激や乾燥から皮膚を守ります。
ただし、持続時間が短いため、塗布量が少ないと十分な効果が得られない可能性があります。また、毛穴の詰まりによる皮膚症状にも注意が必要です。
- モイスチャライザー(moisturizer):ヒルドイド、ウレパール、ザーネ、ユベラなど
モイスチャライザーには保湿因子であるヒューメクタント(例:グリセリンやプロピレングリコール)が含まれており、これらがエモリエントよりも高い保湿効果をもたらします。
クリーム、ローション、軟膏などのタイプがあります。特に油脂成分の多いクリーム(例: ヒルドイドソフト軟膏®️)は、エモリエントと同様に皮膚を保護する力が強く、十分な量を塗ることで保湿や保護の効果が期待できます。
保湿剤の使い分け
エモリエントとモイスチャライザーは、使い分けが重要です。赤ちゃんのように外的刺激に敏感な場合は、よだれやかぶれなどから肌を守るためにエモリエントを利用すると良いでしょう。
一方で、体格の大きなお子さんは保湿を重視し、特に広範囲に塗りやすいローションタイプのモイスチャライザーが適しているかもしれません。目的に応じて使い分けることで、お子さんの肌を効果的にケアできます。
次回は、具体的な塗り方についてお話します。