ヘルパンギーナが流行しています

滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

連日発熱のお子さんが来院されていますが、ヘルパンギーナの方も最近よく来られます。

全国的に見ても滋賀県は急激な患者数の増加が報告されており、6月12日から18日の週で全国8位の感染状況となっています。

これを受けて滋賀県は6月22日に県内全域にヘルパンギーナの警報を発令しました。

特に大津市、草津、東近江、長浜、高島の保健所管内で報告が多くなっています。(当院がある守山市は草津保健所管内です。)

国立感染症研究所ホームページ 感染症発生動向調査 週報(IDWR)のデータを参照し作成

原因

ヘルパンギーナはいわゆる「夏かぜ」の一種です。大人も発症しますが子どもによくみられます。

原因となる病原体はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスというウイルスで、残念ながらワクチンはありません。

感染経路

飛沫感染、接触感染、経口感染によってうつります。

潜伏期間は3日~6日です。

主な症状

39℃や40℃の高熱が2~3日続き、口やのどに小さな水ぶくれができてのどが痛くなります。酸っぱいものや塩辛いものがしみるので、食事がとりづらくなることがあります。ひどいときには水分も飲めなくなり、脱水症になることがあります。

熱性けいれんをともなうこともあります。

治療

今のところウイルスをやっつける薬はありません。必要に応じて症状を緩和するお薬を飲んだり坐薬を使ったりします。

のどの痛みで食事がとれない場合は、プリンやゼリー、アイスクリームなど食べやすいものを用意しておいて、食欲が出た時に少しずつとるようにすると良いです。熱いもの、酸っぱいもの、塩辛いもの、かたいものは避けましょう。

発熱による発汗と食事量が減ることで脱水になりやすくなります。こまめに水分補給を心がけてください。

学校保健法では明確な登校禁止の規定はありませんが、体調が優れないときは自宅で安静にするようにしましょう。熱が下がって元気であれば、登園・登校できます。

ヘルパンギーナの原因となるウイルスにはあまりアルコール消毒が効きませんので、石鹸と流水で手洗いを行って感染予防につとめましょう。1か月ぐらいは便の中にウイルスが排出されますので、排便後やおむつ交換のあとにはしっかりと手洗いをしてください。またタオルの共用は避けるようにしましょう。

こんなときは受診しましょう

4日以上高熱が続くとき、水分がとれずぐったりしているときは受診してください。