鼻をかむ練習をしてみましょう
滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
「うちの子、うまく鼻がかめないんです。」というご相談をよく受けます。
今日は自宅でできる「鼻かみ」の練習方法についてお話しします。
鼻水をかまずにすすっていると
鼻をかまずに鼻をすすっていると、鼻水がのどに流れたり口呼吸になりがちです。そのため鼻の炎症がのどに拡がってしまうことがあります。
また、鼻をすすることで耳にも影響が出ることがあります。鼓膜の奥の「中耳」という場所は、耳管という管を通して鼻の奥とつながっています。鼻をすすると中耳にも圧がかかって、鼓膜の張りが悪くなったり中耳炎を引き起こしたりすることがあります。
どうして子どもは鼻をすするのか
鼻をすすることですっきりする感じを覚えてしまうと、鼻水が出るとすぐに鼻をすすって気持ち悪さを解消する癖がつきがちです。
「鼻をかむとすっきりして気持ちがいい」ということがわかると、鼻をかめるようになるお子さんもいます。
また、鼻水を飲み込むことで体の具合が悪くなるということを理解してもらえることも、鼻かみのモチベーションを上げるうえで大切です。
「鼻をかむとばい菌が外に出て体が元気になる」「ばい菌を飲み込むのは気持ち悪いな」という声かけをしてもらえるといいと思います。
小学生ぐらいのお子さんになると、学校で友達の前で鼻をかむのが恥ずかしい子もいます。周りの目が気になっていそうなら、鼻の調子が悪いときはトイレでかんでみようかとお話ししていただけるといいですね。
鼻のかみかた
良い鼻のかみかたは ゆっくり・片方ずつ ・少しずつかむことです。
いっきに鼻水を外に出そうとして、強く両鼻からかむと、耳に不要な圧力がかかってしまい耳を傷めてしまうことがあります。
それでは鼻をかむ練習をしてみましょう
それぞれのお子さんの発達の段階にもよりますが、簡単な指示は真似して行うことができる2~3歳以上のお子さんであれば鼻かみの練習を始める良い時期です。
①ティッシュペーパーを短冊状に裂く
②短冊を口の前に垂らして、ろうそくの火を吹き消すように口で吹いて動かす
③口で上手に吹けるようになったら、短冊を鼻の前に垂らして、始めは両鼻で息を出して短冊を動かす
(口は閉じるようにする)
④両鼻で上手に吹けるようになったら、片方の鼻を指でふさぎ、もう片方の鼻から息を噴き出して短冊を動かす
特に「鼻から勢いよく息をはく」ということが感覚的につかみにくいので、以上のように息の動きを目に見えるようにするとわかりやすくなります。
練習のコツ
「鼻をかむ練習をしよう!」と親子で意気込んでやってももちろん良いのですが、親が必死になりすぎると嫌になって全く練習してくれないのが子どもですよね。
「鼻でティッシュを遠くに飛ばすゲームをしよう」という風に、遊びの一環として誘ってあげるといいかもしれません。真似をすることが好きなお子さんには、ぜひ保護者の方がお手本を見せてあげてください。
また少し大きくなったお子さんは、「ばい菌を体の外に追い出すと、耳も痛くなりにくいし、早く元気になるんだよ」とそもそもの目的をお話ししてあげると良いと思います。