お薬について その1 飲み薬について

内服薬(飲み薬)について

こんな風に大きく口を開けてくれると楽ですが…今回は実際は大変なことも多いこどものお薬についてのお話です。

滋賀県守山市、小児科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。

薬を嫌がって飲ませられない、というご相談をよくお受けします。今回はこどものお薬の使い方についてのお話、第一弾です。

内服薬の形状の違い

お薬には様々な形状があります。それぞれの特徴や服薬のしかたについてみていきましょう。

水薬(シロップ)

液状のお薬で、飲みやすいように甘く味付けされています。1回ずつ量を測って飲ませます。

清潔な哺乳瓶の乳首の中に入れて吸わせたり、スポイトで飲ませたりするとこぼさず飲ませやすいです。使用後は痛まないように冷蔵庫で保管しましょう。

使用する前に溶かしたりする必要がなく、味も良いので人気がありますが、水薬のお薬は種類が限られており、残念ながら水薬の形状が選べないお薬があります。また測る量があいまいになって足りなくなることがある、傷みやすいというデメリットもあります。

粉薬(ドライシロップ・散剤)

1回ごとに使用量が小分けされているので、体重ごとに正確な量を服用することができます。薬の種類も豊富です。冒頭の写真のように上手にそのまま口に入れて飲めるお子さんもいますが、むせてしまったりこぼしてしまったりすることがあります。その場合は水で溶いたり練ったりする必要があります。

飲んですぐに吐いてしまった場合は、同じ量の新しい薬を飲ませましょう。30分ぐらいたってから吐いた場合は、飲みなおしは不要です。

錠剤

小さいお子さんの保護者の方は「錠剤」ときくとハードルが高く感じられるかもしれません。錠剤は粉薬やシロップと比べるとこぼす心配がなく、1回量をより正確に清潔に飲むことができます。

ただ水と一緒にかまずに一気に飲み込む必要があるため、小さいうちは錠剤に抵抗がある方が多いです。

水と一緒にかまずに飲み込まないといけない薬だけでなく、OD錠といって口の中で溶けるタイプのお薬があります。アレルギーの薬や吐き気止めでOD錠を採用しているお薬があります。粉薬はダイレクトに味を感じやすいので、わずかに残る苦みのためにお薬が嫌いになってしまうお子さんが多いですが、錠剤は薬の味を感じることが少ないので、錠剤が飲めるようになると一気に服薬が楽になるお子さんもいます。OD錠だと、お薬の種類によっては2歳から飲めるものもあります。

ただ、体重あたりの量の調節がしづらいので、厳密な量の調節が必要なお薬(ある種の抗菌薬など)は体重の軽いお子さんには適さない場合があります。

次回は外用薬についてのお話です。ぜひチェックしてみてください。