あせも・とびひ、夏の子どもの肌トラブルを悪化させないために

こんにちは。滋賀県守山市、小児科・アレルギー科・耳鼻咽喉科のきどわき医院です。
汗ばむ季節になり、お子さんの首まわりやひじ・ひざの裏に赤いブツブツができていませんか。汗をたくさんかく夏は、あせもができやすいだけでなく、かき壊した部分から細菌が入り込んで「とびひ」に発展してしまうことも少なくありません。今回は、あせもととびひの違いや見分け方、ご家庭でできるケアの工夫、保育園・幼稚園やプールとの付き合い方について、小児科の視点からお伝えします。
あせもができる仕組みと、汗をかく機会が増えている滋賀の夏
あせもは、汗の通り道である汗管が汗や汚れで詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こる湿疹です。汗をかいたまま長時間放置したり、蒸れやすい服装を続けたりすると、首まわりやひじ・ひざの裏、おむつの中など汗がこもりやすい部分に赤い小さなブツブツが現れやすくなります。お子さんは大人に比べて汗腺の働きが活発で体温調節のために汗をかきやすいため、同じ環境でもあせもができやすい傾向があります。
滋賀県(彦根地方気象台)でも、猛暑日や熱帯夜の日数は1990年代以降増加傾向にあります1)。守山市にお住まいのご家庭でも、外遊びで汗をかくことが以前より増えていると感じている方は多いのではないでしょうか。汗をかくこと自体は体温調節に必要な大切な機能ですが、そのぶんあせものできやすい環境も増えていることを意識しておくとよいでしょう。
あせもをかき壊すと「とびひ」に? 原因と症状
とびひは医学的には伝染性膿痂疹(のうかしん)と呼ばれ、主に黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌が皮膚に感染することで起こります。
あせもや虫刺され、湿疹などをかき壊した傷口から細菌が入り込み、そこを触った手で別の場所を触ることで、あっという間に「飛び火」のように広がっていくのが特徴です。黄色ブドウ球菌によるものは水ぶくれができやすく、乳幼児や幼児に夏場多くみられます。
水ぶくれが破れてじゅくじゅくした状態になったり、厚いかさぶたができたりしている場合は、あせもの範囲を超えてとびひに進んでいる可能性があります。発熱やリンパ節の腫れを伴うこともあるため、皮膚の症状だけでなく、お子さんの体調全体にも注意を向けてあげることをおすすめします。
家庭でできるケアと、悪化させないための注意点
あせも・とびひのどちらに対しても、皮膚を清潔に保つことが基本のケアになります。汗をかいたらシャワーで洗い流す、または濡れタオルで優しく拭き取り、こまめに着替えさせてあげましょう。とびひができている場合はシャワーで患部を石けんで優しく洗い、入浴後は処方された軟膏を塗って清潔なガーゼで覆うようにします。
湯船につかると、とびひの部分の滲出液が湯の中に広がり、お子さん自身の他の健康な皮膚部分に細菌が付着して新たな患部ができたり、後から同じお湯に入る家族にうつったりするリスクが高まるため、患部の滲出液が止まるまでは、シャワーでのケアを続けることをおすすめします。じゅくじゅくした滲出液が止まり、患部が乾いてかさぶたになってきたら、湯船を再開する目安にしてよいでしょう。ただし、かさぶたの状態でも感染力が残っていることがあるため、新しい患部ができていないか、きょうだいが後から同じお湯に入っても心配がなさそうかを見極めながら判断してください。治りが悪い、広がっているなど不安な点があれば、無理に自己判断せず当院にご相談ください。
爪を短く切っておくことも、かき壊しによる悪化を防ぐうえで役立ちます。ご家庭にきょうだいがいる場合は、タオルの共用を避け、入浴の順番を患部のあるお子さんを最後にするなどの工夫をすると、家庭内での広がりを抑えやすくなります。市販の塗り薬で様子を見るご家庭も多いですが、症状が広がる場合や自己判断でのケアに不安がある場合は、無理をせず小児科や皮膚科で相談するようにしましょう。
プールや保育園・幼稚園には行ってもいい?
とびひは、他のお子さんとの接触などを通じてうつることがあるため注意が必要ですが、患部をガーゼなどでしっかり覆っていれば登園・登校自体に制限はないとされています2)。一方でプールについては、プールの水そのものから感染するわけではないものの、水中でかき壊して悪化したり、他のお子さんに触れて感染を広げたりする可能性があるため、治るまでは控えるべきとされています2)3)。
守山市内の保育園・幼稚園でも、プールや水遊びの可否については園ごとに独自の基準を設けている場合があります。登園や水遊びを再開してよいタイミングについては、自己判断で決めず、通われている園の方針とあわせて、当院にもご相談いただくことをおすすめします。
- 滋賀県の気候変動|彦根地方気象台(気象庁)
- 伝染性膿痂疹(とびひ)|公益社団法人 日本小児科学会(リンクは同学会の方針により掲載を控えています。「日本小児科学会 とびひ」で検索いただくとご確認いただけます)
- とびひ|公益社団法人 日本小児皮膚科学会(リンクポリシーが確認できなかったため、念のためリンクは控えています。「日本小児皮膚科学会 とびひ」で検索いただくとご確認いただけます)
